日本国召喚外伝『新世界異譚 Ⅱ 孤独の戦士たち』のよもやま

どうも、おはこんばんちは。髙松です。

発売から1週間経ったので、そろそろ裏設定をだらーっと解説していこうかと思います。
あんまり大した話はないと思いますが、「こんなこと考えてたんか」みたいなところがわかったら面白いんではないかと。

・サブタイについて
大体予想付いてるでしょうが、岡以外にサフィーネ、セイ、ザビル、エスペラント王国一塊、そしてゼリムが「孤独の戦士」に該当します。みんなそれぞれの立場で孤独はありましたが、最終的にはお互いに大事な戦友として結束するまでが本作の裏テーマでござんした。

・エスペラント王国
「実在する名前だけどいいの?」みたいな指摘が6巻の校正で入ってたんですが(
『エスペラント』という言葉自体が、エスペラント語で「希望する人」という意味なので、人類の存続を願う人たちの国という意味で大変バッチリだと思っていたのでそのまま使ってます。
区名はエスペラント語に訳して縮めたものです。
三王家の家名はエスペラント語の創案者の本名から。
サフィーネが当初名乗ったジルベルニク姓は↑の妻から。これは知っていたら最初から「王家の関係者だ」と気づかせるためでした。

・リビングデッド
死体が放置されて長らく分解されないと魔物化します。
なりやすい場所となりにくい場所があって、魔素濃度が高いところは比較的早くリビングデッド化します。そのうち身体が分解されて身体の形を保てなくなると、骸骨系のアンデッドになります。
骸骨系のアンデッドもそのうち骨が風化しすぎるとボロボロになって自然と消滅、土に還ります。
骨が風化しても残留思念に魔素が定着しているとスピリット系アンデッドになります。こうなるとわりと手が付けられなくなって、かなり悪さをします。
何も対処しなければ、肉体付きアンデッドは2年くらい、骸骨系アンデッドは5年くらい、スピリット系アンデッドは(核となる精神力が尽きるまでばらつきがありますが)概ね10年くらい活動を続けます。これが脅威なので見つけ次第神聖魔法で浄化して埋葬します。

・魔族
エルフに匹敵する魔力を持ち、群れることはありませんが鬼人族の集落といった脅威になりそうなものに対しては徒党を組んだりします。もしかしたらどこかに魔族の王国がある……かも……?
魔獣と魔族は明確に違います。この2つを比べるのはザクⅡとジム・クゥエルを比較するようなもんです(わかりにくい)。
両者に遺伝的な繋がりもありません。基本的に飛翔能力を備え、自分より強い魔性(ませい)生物がいても従うことはほとんどないです。膂力はそれほど優れてはいませんが、魔力は森エルフ並に強いです。

・魔族、魔獣の人類に対する距離感
基本的に人類に対しては敵対的です。ただゼルスマリムが人類(というよりは岡個人ですが)に心を許したのと同じように、ゴブリンやオークの中にも人類に好意的な者も存在し、仲良くしたいと考える個体は稀にいます。そういうのは魔獣、魔族の中でも異端とされています。
魔族に至ってはその気になれば人類との間に子を残すことも可能ですが(ゴブリンやオークは原典通り土から生まれるため生殖器を持ちません)、魔族とのハーフが今後作品に登場する予定は……さてどうでしょう。

・ゼルスマリムについて
執筆開始時に「裏切り者を登場させよう」というのを最初に決めていました。
ただまぁ、ヘイトを一身に受けるだけのキャラが登場するのはあまりにストレスが高いですし、自分としてもそんな好きじゃないので「裏切り者(スパイ)だけど、多種多様な種族が登場する日本国召喚らしく、そして意外といい奴がいてもいいな」と考えてああいう感じにしました。
そもそも「読者の悪い奴認定」はちゃんとアニュンリール皇国に向けたかったので、彼自身も被害者で、なおかつそれなりにエスペラント王国が苦戦しつつもちゃんと勝てる状況にしたらああなったというか。鬼人族も助けないといけませんしね。
もしスパイがちゃんとしてたらエスペラント王国に勝ち目はなかったです。ダクシルドがただの公務員でよかった。

・神々
アヌ、アブズはアッカド神話系(シュメール神話)の天の神アヌと水の神アプスーです。
人間族がアヌ、ドワーフがアブズを信仰した理由は色々ありますが、人間族は誘惑に負けやすいことから正義を司るアヌを、ドワーフ族は採掘する中で水と戦い水を必要とするからアブズを信仰していた、と大雑把に設定してます。
獣人族に信仰する神はいないのかという話ですが、一言に獣人と言っても種族ごとに信仰する神が違うので厄介なんですね。狼人族、猫人族、虎人族、鳥人族、牛人族……すごいいっぱいいます。だから彼らは彼らで独自に聖堂や祠、神殿を作って維持しています。
別種族で配偶者となれば双方の神を信仰するので異教徒廃絶主義はほぼありません。人類全体でほとんど多神教です。中にはそういう廃絶主義みたいなのもいますが、大抵頭がおかしい奴として認識されるのでごくごく少数派に留まります。

・高専生
僕の友人の高専出身者たちは頭がよくて多かれ少……なくはない面白い連中ばかりです。
僕の観測範囲では少なくとも岡くらいの知識を持った奴はざらにいましたし、「現実味がない」と言われてもそれは付き合いがないからでは、としか。あいつらマジ頭よすぎて引く。

・魔獣と人類の戦力比
あんまり数値化したくはないんですが、簡単に以下のようなイメージの白兵戦能力としています。
人類の平均的な兵士=10
マスケット銃兵=500
新型銃兵=5,000
ゴブリン=2
ゴブリンロード=10
オーク=100
オークキング=1,000
鬼人族=5,000
サフィーネ(達人遊撃兵)=1,000
ジャスティード(達人剣士)=1,000
重騎士(防御力)=3,000
岡(89式小銃装備)=10,000
岡(弾切れ、ナイフ装備)=500
※すべて単体。連携したらもうちょっと強くなったり、相性で変化したりします。
これに当てはまらない場合もありますが、その辺は適当に考えてください。

セイが89式小銃を王に見せるために持って行こうとして岡とちょっと揉めるシーン
みのろうさんから「自衛隊は自分たちの武器をそう簡単に渡さないはず」と指摘があって追加しました。
どうなんだろう、私だったら「どうせわかんないしあとで戻してくれるならいいよ」って言っちゃいそうなもんですが(信号や一時停止は守るけど速度制限とか厳密には守らないタイプの悪い人間)。
さすがにそれはないか。規律厳しいですもんね。ご存じの現役の方がいらっしゃったらこっそり教えてください。

・サフィーネのキャラクター変更
私が”自立した女性好き”っていうのもありますが(風変わりな女の子も好きです。『たまこまーけっと』のかんなちゃんとか最強に好き)、女性がアクティブで戦場で活躍するシーンってこれまでにないなと思ってがっつり修正しました。もはや新造ですね。
待ってるだけの女性はいかにもトロフィー感があってあんま好きじゃないので。
ただ、荒川弘先生や吾峠呼世晴先生のように容赦なく傷つけるのだけはどうしてもためらってしまう……これが男の限界というものか……。
あと「年頃の娘と言う男はそうそういない」は、下手な男よりも普通にメタクソ強い(映画版のレゴラス級)から言われてるだけです。魔法適性ももちろんありますがサフィーネの場合は弓矢使うほうが得意なので積極的に使おうとしません。

・絵
鉱石があるなら絵の具もあるよなぁと。
サフィーネの祖母はフェルメール級に上手で、女王となったサフィーネ自身も妊娠後は可処分時間が増えてそれくらい上手くなります。
第2章のアレはとらのあな特典をご覧ください。

・ノスグーラの絶対隷化の力について
ダクシルドが言っていた通り、パーパルディアくらいは普通に落ちていました。
戦略眼的には地球の第二次大戦水準の知識がありつつ、敵の戦力(特に地竜)を鹵獲して次々と勢力を増大させていくのですから、もし第2巻で魔王軍がトーパを超えて日本が転移していなかったらフィルアデス大陸は焼け野原となっていました。
ワイバーンもリントヴルムもいなかったからこそ、魔王は力を増強することなくトーパはギリギリ持ちこたえられたというわけです。
ちなみにノスグーラの絶対隷化はハードウェアエンコード(みたいなもの)です。

・寿命について
人間族は1万年前の時点で最長でも70歳くらいまでです。
エルフはすごく長くて9,000年、ドワーフも500年くらい生きましたが、混血してからはめちゃくちゃ短くなってます。特に町エルフ化もしたエルフは混血が進むにつれて短くなっていき、250年くらい。ドワーフは140年くらいです。
結婚した岡は百数十年もサフィーネを一人にするのかと思いますが、とある理由で岡は180歳くらいまで長生きしますので文字通り末永く幸せに暮らします。
セイはあんまり長生きできません。もうちょっと健康に気をつけろ。

・魔王降臨で襲撃を受けた国
グア・キリウス:外伝1巻参照。
ボルフェンク:壊滅的ダメージを負いましたが、少数が生き残っていて立ち直りました。今も世界中のあちこちに子孫がいます。
ラズモリア:滅びました。
ミズ・トイネ:王家が滅亡し、家臣が建国したクワ・トイネ公国となって存続しています。
アル・ターラ:アルタラス王家に続いてます。
他にもありますが割愛。

・初代『C-2』の塗装
量産型と同じ灰色に塗装されています。

・『ドリ○ターズ』パクった?
パクってないです。
平野耕太さんには(Twitterアカウントフォローしてるのに)大変失礼な話なんですが、11月末の24h全巻無料キャンペーンまで全然知らなかったんですよ。
読んでみたら火縄銃作るくだりが微妙にカブってて面食らいました。
ま、まぁこっちはステンレス鋼作るとこからやってるしリボルビングライフルだし、いっかなって。
当時私が狼狽えるツイートしてたの覚えてる人は多分「これか」って気づいたと思います。
この1ヶ月半、気が気じゃなかったです。
それとDr.STONEもパクってません。あれを観たのは年末になってからです。むしろこっちのほうがヒントっぽいかな。あとがきに書いた通り、原稿は8月時点で初稿完成していて、影響されて大きく変えたところとかもないです。

あ、火薬作る手順はマジで真似しないでください。一応ファンタジー混ぜましたがほぼ正しい段階踏んでます。捕まりますよ。
銃(ステンレス)作るのはまぁ無理だと思いますが……。もし作るならモデルガンまでにしておいてください(

・ゴウルアスの耐久性
生物がそんなに強固な外皮をしていてたまるか!
というのが設定変更した理由です。
これが属性竜とかファンタジーな化け物だったら、銃が効かなくてもいいんです。
たとえば熊だって9mm拳銃じゃ相手にならないし、ライフル使わないと倒せないでしょう。
当たり所が悪ければ倒せる、倒せなくてもとりあえずは効く……くらいのイメージです。
ワイバーンやリントヴルムなんかの亜竜もそうですね。
あいつらは性能的な立ち位置が戦闘機や装甲車の代わりなだけであって、一応生物だということを強調したかった感じです。

・祟り鬼神からアジ・ダハーカになった経緯
髙「祟り鬼神って何か原典あるんですか?」
み「いや、ないです」
髙「じゃあボツにさせてください」
単純に数いるだけの敵をポッと出して殲滅するだけって面白くないなと思って、デカくてやばいドラゴン出したかったから出しました。
自衛隊が真竜種と戦う場面ってまだなかったでしょう(アジ・ダハーカは真竜種かつ邪竜種)。
せっかく現実とファンタジーを戦わせるのだから、原典があって盛り上がる化け物退治をやりたかったというか。
あと魔法帝国が祟り鬼神の使役を検討して断念したという部分は完全に失念していて、アジ・ダハーカに変えたのに同じ設定になったのは偶然でした。

今後も私の方でドラゴン出せる場面があれば出していきます。
善性も悪性も両方出したいですねぇ。

・物語のあとのエスペラント王国
爆発的な発展を遂げます。それはもう恐ろしい速度の進化で、「辺境の列強国」「北極圏の番人」とまで呼ばれるようになります。
トーパもそれに付随して急速に成長し、日本、トーパ、エスペラント王国で極東同盟が結ばれます。これはもうちょっと先の話ですね。

 

……とりあえずこんなところで。
他にも何か思い出したら書きます。

それじゃ、また次回。

4 thoughts on “日本国召喚外伝『新世界異譚 Ⅱ 孤独の戦士たち』のよもやま

  1. 匿名

    外伝2巻買いました。めちゃくちゃ面白かったです。
    ゆっくり読もうと思ったのですが一晩で読んでしまいました。
    我儘を言えば今すぐ外伝3を書いてほしいです。
    また書店で日本国召喚の新刊に出会えることを心よりお待ちしています。

    返信
    1. Ryoji Takamatsu 投稿作成者

      お買い上げありがとうございます!
      あの厚みを一晩でですか、時間かかりませんでしたかw
      外伝3巻も書きたいところですが、その前にやらないといけないお仕事があるので……
      次は本編6巻が出ますので、そちらも楽しみにしていてください。

      返信
  2. もぎゃ

    本の後書きからたどってきました。とても良かったです。一巻も読んでみる!

    返信
    1. Ryoji Takamatsu 投稿作成者

      お買い上げありがとうございます! 楽しんでいただけてよかったです!
      1巻はまぁ……そんなにアレなので無理に読まなくても大丈夫ですよ、はい。
      反省の多い作品になってしまいましたので。

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